【SS】「三種の神器」の受難⑥ ~平家物語より・中編~

屋島の戦い
義経>「水軍味方につけた。これで四国攻められるわ。兄上に報告とかめんどくさいし。さっさと行こ」←義経のこの性格がのちに兄弟間の確執を生む一因になった可能性あり。

義経>「天気悪いけど屋島まで船出せよ」
船頭>「無理です。転覆して死にます」
義経>「行かなくても殺しちゃうよ?」
船頭>「ひいいいい! 行きます! 行きますから!」

義経>「そうだ、大軍に見せかけるために火をつけまくろう」

屋島
平家軍>「こんな嵐なのに源氏が攻めてきたぞ!」
平家軍>「逃げろ!勝てるわけない!」

義経>「俺たち150騎なんだけど。軍勢がみんな海に逃げてった」

平家軍>「あれ、よく見たら源氏少なくね?」
平家軍>「しまった、早まった」
平家軍>「少ないならこっちが有利だ、攻めろ!」

夕刻
義経>「今日はここまでにするか。…あれなんだ」
源氏軍>「女が出てきましたね。扇持ってますよ」
源氏軍>「あっ竿に扇くくりつけました」
義経>「手招きしてんな。あれを射てみろってことか。おもしれー」ニヤリ
義経>「おい、あれを射ることができる奴はいるか!?」

源氏軍>シーン

義経>「いないのか! 源氏軍は臆病者と罵られるぞ!」
源氏軍>(じゃあ自分でやれよ)

源氏軍>「おそれながら。那須与一が弓の名手です」
義経>「そうか! 那須与一をこれへ!」
与一>「お召しにより参上仕りました」
義経>「よし、じゃああの的を射ろ。失敗すんなよ」
与一>「いえ、それはちょっと…あれ揺れてますし」(゚A゚;)
義経>「ごたごた抜かすな。さっさとやれ」
与一>「はい…」

与一>(当たらなかったら死ぬしかない! 南無八幡大菩薩!)ヒュッ

→見事に的の中央を射抜く。

全軍>「おおっ」

義経>「見たか平家!」
平家軍>「これはめでたい!」ヒラヒラ
義経>「なんだあいつら。舟の上で踊り始めたぞ。戦をなんだと思ってるんだ」(--〆)
義経>「射掛けよ!」
平家軍>「今は休戦中だろうが!」ドッ

→再度戦となるが源氏の援軍が到着し、平家撤退。屋島の戦い終結。

扇の的エピソードに関しては史実ではないとする説も根強い。(まああくまでも平家「物語」なので)ただ戦は勝敗が全てと考えてる節のある源義経と戦にも風流を求めてみたり礼節を重んじようとする平家の違いが如実に出ているエピソードだと思う。
そしてこの戦に対する考え方の違いが最後の壇ノ浦の戦い方にも出てくるのではないだろうか。
ちなみに那須与一が唱える「南無八幡大菩薩」とは源氏の信仰する八幡宮の祭神だがこの時代はガッツリ神仏習合してるので「大」菩薩というそもそもの仏教にはない日本独自の形をとっている。
しかし揺れる的を射抜くだけの加護を与えられるとは、勝利の神とはいえ八幡様、ハンパない。
→次回は平家物語編終結、壇ノ浦の戦い!

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