【SS】昭和の脱獄王は極悪犯か英雄か②

処遇の訴えから3度目の脱獄
その後行方は知れなかったが3か月後に小菅刑務所官舎に小林良蔵を訪ねてくる。
(白鳥は依然短期間服役していた小菅刑務所の待遇には納得していた。少なくとも脱獄を企てない程度には)小林は小菅にいた頃の白鳥をまともに扱った看守だった。
当初は農家の納屋に隠れていて夜毎に鉄道線路を東京に向かって2駅ほどずつ歩いて移動していた。
小林は熱いお茶と芋を出して話を聞いた。

一通り訴え終わると翌朝付き添われて小菅警察署に自首。

小菅刑務所で服役したいと希望したが受刑者の希望など当然通るはずもなく網走刑務所に送られる。
1944年網走刑務所を脱獄。

脱獄までの経緯と手口
看守A>「お前は危険だから独房に入ってろ。手錠は後ろ手にしとくぞ。(ガチャッ)あとこれもつけとくからな」足錠ガチャッ
看守A「あと床は強化してあるから逃げようとしても無駄だからな!」
白鳥>(これはさすがに動けん)「食事はどうすれば?」
看守A>「当然そのままだ。犬みたいにして食べるんだな」
白鳥>(手も足も動かんなんて犬よりひどいだろ!)

真冬(網走の冬は独房内でもマイナス10度にまでなる)
白鳥>「寒い…。(ガタガタガタ)毛布をもらえませんか? あと着物も夏物では寒すぎます」
看守A>「だめだ、お前に何か与えるとどうやって脱獄するかわからんからな。そのままでいろ」
白鳥>(さすがにこれは酷すぎる。扱いが酷いから秋田刑務所を脱獄したのにさらに酷くなった。許せん、絶対脱獄してやる)(--〆)

白鳥>(しかし手も足も拘束されていたのではさすがにどうしようもできない。しばらくおとなしくするか…)

1年後。
看守B>「もうずっとおとなしくしてるし脱獄は諦めたんだろう。足錠は外してやるか。あと手錠も後ろ手ではしんどいだろうから前でいいぞ」
白鳥>「ありがとうございます(ニヤリ)」

白鳥>「準備は整った。さて…今回はどうやって脱獄するかな」

看守>「食事だ!」
白鳥>「味噌汁か。そうだ、これを利用しよう」
毎日味噌汁を脱走防止の鉄枠に吐きかけ、少しずつ錆びさせる。

数十日後。
白鳥>「扉と鉄枠の間に隙間ができてきた。これはいけるぞ」

さらに数十日後。
白鳥>「よし。もうこれは引っ張れば外せる。こんなところさっさと脱獄だ。ふんっ」手錠バキッ
白鳥>「しかし鉄枠は外れたがこの小窓は狭すぎる。囚人服も引っ掛かったら邪魔だからいらん」ポイッ
白鳥>「最後の手段だ」関節ポキポキ(白鳥は関節を自在に外すことが出来た)
そしてなんとか狭い小窓を通ることに成功。

白鳥>「あとは梁を登って天窓を頭突きして破ればいいな」ガンッ

―逃走完了―
→脱獄4回目とその後に続く!

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