「戦争してない国があるなんて知らなかった」

先週G20が終わりしばらくはその成果の話題で賑わうのかと思ったらトランプ大統領がパンムンジョムで北朝鮮の金委員長と会談し、そっちの話題で持ちきりになった。
(関係ないがなんで北朝鮮の最高位が現在は第一「書記」なんだろう。学校の生徒会で書記といえば会長や副会長の次だった。金日成主席に敬意を表してのことらしいが主席の下は書記と決まってるんだろうか)
わざわざ会いにいくことに対して賛否はあるだろうがこのまま緊張関係が続くよりはよっぽどいいと思う。
できれば生きているうちに戦争なんて経験せずにいたいし、子どもの世代もそうなってほしいと思う。

以前、カンボジアにしばらく滞在していたことがある。
カンボジアは1970年頃から内戦状態となり、ポル・ポトが権力を握りクメール・ルージュと呼ばれる兵士たちが次々と市民を粛清していった国だ。知識階層は不要と判断され医者も教師も粛清の対象となった。メガネをしているだけで知識階層と見做され殺されることもあったという。
その結果内戦終結後も各地でのゲリラ戦がなかなか収まらないこともあり、発展が大いに遅れた。
なので30代後半くらいまでの世代が戦争を知っている。
カンボジアで内戦の話はタブーだとガイドブックなどにも書いてあったが思い切って聞いてみたことがある。
彼の知っている時代は既に虐殺はなかったがすぐ近くにゲリラが潜んでおりいきなり銃弾が飛び交うことは何度かあったという。
わたしは戦争を知らないし親の世代も戦争の経験はないことを何気なく伝えた。
すると彼は驚いていた。
わたしの世代の日本人が戦争を知らないことはなんとなく知っていたがその親の世代の頃、1970年頃は世界中で戦争が起こっているものだと思っていたそうだ。
彼は言っていた。
「戦争してない国があるなんて知らなかった」
内戦の中で育つと戦争が世界の全てだと思ってしまうのだ。
その言葉がわたしにはあまりに印象的だった。
その外で平和に暮らしている人間がいるなど想像もつかないことになってしまう。

正直、今の中国に植民地化されて食い荒らされてしまっていくカンボジアに興味はないし「援助してもらって当然だ、税金など払いたくない」と暗に思っている人が多い(もちろん全てではないが)クメール人がその道を選んだのだからもうそれはどうしようもない。(彼らによると道路は他国が援助して舗装するのが当たり前らしい)
わたし自身、知り合いだと思っていた人に持ち物を盗まれたこともある。
だから現地にいる日本人ボランティアの方には申し訳ないがわたしは現在のあの国に同情はしない。でもその過去はあまりに重いとも思った。

そして、どうかこれからの世代の子どもたちが「戦争してない国があるなんて知らなかった」なんて言うことがないように、平和な世界を次につなげることができるならそれでいいと思う。

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